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アユを突くと幸せになれる 

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 吉野で「ランバージャックス川の日」というイベントにインストラクターとして参加する。たんなる水浴みたいな子どもっぽい水遊びではなく、かなり真剣な川遊びを体験してもらうというイベントだ。

 参加者には夏の川に入ってアユをヤスで捕獲してもらう。対象者は女性が中心の大学生たちと、あとは川遊びに興味のある30歳台を中心とする悩み多き男女というかんじ。

 弟が企画したのだが、これまたなかなかハードなイベントを実行してしまったものだ。というのも、アユを川で仕留めるのは、かなりむずかしい部類に入るのだ。

 夏の川の中流域でいちばん泳ぐのが早いのがアユだ。じつは、アユ以外の魚は物陰に追い込んでしまえば動かないので、シロウトでもけっこうヤスでも仕留めることができる。しかしアユは普通の魚と習性がかなりちがうのだ。

 カワムツなりオイカワなり、あとは上流域のアマゴでもそうだし、大型魚でもほとんどそうだけれど、川魚というのは基本的に朝夕に活発にエサを取る。朝夕に活発に活動する昆虫類を食っていることが多いからだ。そして昆虫類を追って活発化する小型魚につられて中大型魚も活発化する。朝夕が仕事時間で、まっ昼間は物かげにかくれて休んでいる傾向が強いのだ。瀬に出ていても、すこし水中で脅かしたり追い回したりすると、岩の下とか草の陰などに入り込む。こうしたあまり動かない魚はけっこう簡単に仕留められるというわけだ。

 しかしアユはちがう。夏の真っ昼間に、光で目がくらむような瀬に展開してナワバリ争いをし、パトロールするというかなり変わった習性を持っている。なぜかというと昆虫ではなく川の石に付いているコケがエサだからだ。一日中エサが取れるので、朝夕だけに活動するという生活パターンを取る必要がないのだ。

 コケの生える石を狙って個体同士で激しく体当たりをして争うので、遊泳能力がそもそも高い。そういう魚があまり物陰に入り込むことなく、川の開けた水面をいっぱいにつかって逃げ惑うのだ。人間にとっては圧倒的に不利な闘いを強いられるというわけだ。近距離でダッシュされると目で追いかけるのも難しいようなスピードなので、かなりコツがいる。

 そんなアユの突き漁をうら若き大学生の女性たちにやらせてみようという、けっこう強引なイベントなのである。





 ところが、東吉野村の高見川という場所があまりにすばらしかった。なんと参加したほとんどのメンバーがアユを突くことに成功したのである。

 なにせ今年の夏は雨が少なかったので川の水位が下がり、アユの逃げ場が減って人間に有利だったことと、そもそも今年はアユが豊漁であること、そして参加したみんなが何をやるのか、イメージビデオを見てからきていたことが大きかったようだ。あとは、「アユ突き漁に行こう」という誘いにいそいそと参加するのだから、そもそも勘のいいメンバーだったのかもしれない。

 とにかく、30人くらいの参加者が午前中だけで50匹近くのアユを捕獲することに成功したのだった。





 この高見川というのは、アユがこんなに多く、都市近郊にある川なのに、突き漁が1日2500円の遊漁料で可能だという稀有な川だ。昨年あたりからこの川に来てようすを見ているが、この川ほど突き漁の環境に恵まれた川は正直見たことがない。

 野性を解放するにはもってこいの川だ。9月中はこの漁がじゅうぶんできるくらい水温が高いので、やったことのない人はぜひ試してほしい。

 アドバイスをひとつ。

 とにかく、普段仕事や勉学やビジネスで主として使うような理屈や左脳型の思考はやめることだ。つまり、

目の前に来た魚を獰猛に追うこと。
手数を増やし執拗に攻撃しつづけること。
チャンスを逃がさないこと。
迷わないこと。

 こういう動物的な勘やスキルというのは、現代人の生活ではほとんど養うことができない。スポーツはそれに近いものがあるが、かなりゲームとして抽象化されていて、ルールがやたら多いので「生死をかけたやりとり」という意味合いが薄れている。

 わたしが外国にまででかけて野性カワウソの調査をするようになって、まるっきり人間が変わった。それは迷いというものがなくなったことだ。

 あるとき、カワウソが夜間の川に出現したが、いったい上流・下流のどちらに移動したかわからなくなったことがあった。川を見ながら追跡方向を5分ほども検討したろうか。すると「逡巡しすぎだよ」と先輩に言われた

 そうである。どっちでもいいのだ。正解か不正解かを判定することができない場合、判断を遅らせることがいちばんの悪だ。「勘」で行くしかない。

 自然や野性動物を相手にしていると、こういう「待ったなし」の感覚が養える。





 このアユ突きイベントに参加者の中におもしろい女子大生がいた。

 わたしが水中でのアユの突きかたを説明して漁をスタートした直後に、水にも潜らずに水面の上からアユに向けてヤスをはなっていきなり最初の1匹目を仕留めた女子大学生がいたのである。

 説明がどうだろうと、目の前に来た魚を反射的に射貫く。そういう感性をもったあの子は、きっとパッと結婚してサッと子どもを作り、ちゃちゃっと仕事もしながら幸せな人生を送ることだろう。現代日本人が結婚できないのは、アユ突きに使うような野性味が足りないのだ。

 アユを捕ると人間は幸せに近づくのである。




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[2016/09/04 23:45] フィールドニュース | トラックバック(-) | コメント(-)

土佐清水・大岐の浜のメガソーラー計画に断固反対する 

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 公共事業による自然破壊の時代はもうようやく終わったと思ったのに。またこんな話に巻き込まれるとは。

 なんども訪ねた大好きな場所である大岐の浜(高知県土佐清水市)の景観がぶちこわされかねない事態に見舞われている。

 これまでいくつかのダム建設反対運動に参加してきた。日本はもう巨大ダムを作る時代ではなくなったし、もはや国内に候補地もない。どちらかというとこれからはダムの撤去や河川の環境維持に時代が向かっていきそうな胎動すら感じて、いい傾向だと思っていた。

 しかし金モウケというネタさえあれば、自然などいくらでもつぶす用意がまだこの国にはあるようだ。次のネタはご存じのソーラー発電である。

 ぜひこのリンクから署名にご協力いただきたい。よろしくお願いします。


土佐清水の豊かな自然を未来につなぐ会
http://weloveohki.tumblr.com/post/122599580881





 土佐清水市によく足を運ぶようになったのは、野生カワウソの調査を始めたのがそもそもの発端だった。

 わたしが四万十川でレンタルカヌーのアルバイトをやっていた2000年ごろ、住み込みで働いていた西土佐村(現四万十市)のカヌーレンタルショップにふらっと訪ねてきたのが、今回の反対運動の発起人にも名を連ねている山田浩一さんだった。そのショップのWEBサイトを作っていたのだ。

 山田さんはそのころすでにカワウソの調査を足かけ15年くらいやっていて、国内はもちろん韓国にまで調査の足を伸ばしているという。このチャンスは二度と来ないと思った若造のわたしは「韓国に連れてってください」といきなりあつかましくお願いしたのである。

 山田さんはそのころ土佐清水市の市街地に住んでいた。もともとは東京出身で、テレビ番組のプロデューサとしてあの名動物番組「わくわく動物ランド」を映像プロダクションで作っていた人である。つまりわたしは子供のころ、毎週水曜日に山田さんの作った番組を楽しみに待っていたわけだ。

 その後、この超僻地に住む山田さんとカワウソの調査をとおして年に何度も会う関係になった。2011年には韓国調査を中止して東北の被災地へのボランティアに出かけたのもすでに懐かしい。





 山田さんはその後、大岐の浜という砂浜海岸のすぐそばに家を建てた。この大岐の浜は、わたしがこれまで見た砂浜海岸のなかでもいちばん美しい海岸といっていい。

 最初に見たときは驚いたものだ。

 なにせ人工物がほとんどまったく目に入らないのである。海と砂浜、防風林と背後の山並み。それだけだ。21世紀の日本で、人工物がこれほど少ない海岸線で、しかも砂浜海岸というのがどれほどあるのだろうか。

 山田さんは動物の専門家なので、海岸の動物たちの話もよく聞いた。

 暖地の砂浜海岸なので、もちろんアカウミガメが産卵にやってくる。ハマグリがボロボロと収穫できるので「ハマグリ組合」があり、防風林にはキツネがすんでいてウミガメの卵を狙う。山と海が近いので、海の上にホタルが飛ぶのだそうだ。

 すこし前まではほんとうに誰もいない海岸だったのだが、そのうちこのビーチの存在を聞きつけたサーファーが大挙訪れるようになった。今はこのミズスマシたちの天国になっている。

 ビーチは大きく3つのエリアに分かれていて、ローカル(地元サーファー)、愛媛のサーファー、県外サーファーがそれぞれ使うエリアが分かれているらしい。サーファーのこういう排他的なところはわたしは嫌いだが、誰もいなかったころのビーチを見たことのある者としては、その生態を観察すること自体はおもしろいものである。

 最近は混んでいるのであまり入らなくなったが、わたしも何度かサーフィンをしたことがある。1度はまだサーフスポットとしてあまり有名でなかったころ。大波の中に突っ込んで行ったが、台風が近づいていたのであまりに波が激しくあえなく撤退した。そのときは広大なビーチにわたしを含めて2人しかいなかった。

 そののちサーファーが増えたとはいえ、なにせ広いのである程度のうねりがあれば初心者でもなんらかの波が拾えるのがいいところだ。休みともなればビーチ横の広場にはサーファーが乗り付けてくるたくさんのハイエースが並ぶのである。





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 このサーフスポットの人気の理由は、この広さもあるが、なんといってもこの大岐の浜自体のロケーションのすばらしさがあるだろう。初めてこの海岸を見たときの強烈な印象を今でも覚えている。

 たんに砂浜や松林が残されているビーチならほかにもある。しかしこの大岐の浜の特筆すべきところは、視界に俗っぽいものがほとんど入ってこないところだ。そもそも直線が水平線以外にない。

 こんなビーチは日本にほとんど残されていないはずだ。日本の川べりや海岸線はすみずみまで公共事業で破壊され尽くし、どんな田舎でもダムや堰堤、砂防提、護岸、消波ブロック(いわゆるテトラポッド)が目に入ってくる。たとえ北海道の原野までカヌーツーリングにでかけようとも、そこが日本であるかぎり、コンクリートでできた不粋な構造物はかならず追いかけてくる。

 ところが、大岐の浜にはそれがない。





 こういうビーチの目の前に四国で2番目のソーラー発電所ができようとしている。

 さきほど「直線が水平線以外にない」と書いたが、実は嘘だ。2つだけある。

 一つ目。砂浜にはいちおう防波堤がある。これはまあ砂に埋もれたような姿なのでたいした罪はないのだが、もう一つが7階建ての大型のホテル「海癒(かいゆ)」である。これがビーチの北端に真っ白な姿をさらしているのだ。

 今回の発電所計画の発端が、この不粋な外見のホテルを経営するオーナー一族から発しているのは「いかにも」なのだが、その経営者によるグダグダの地域住民説明会はこちらのURLで見ることができる。加害者が被害者面で会見して地元住民が怒りのやり場に困惑するという、ちょっと稀にみる説明会だ。


オーシャン四国(代)岡田充弘氏 事業説明会(USTREAM)


Broadcast live streaming video on Ustream





 この計画は、パネル5万枚を使った25ヘクタールのソーラー発電所を、大岐の浜に面した山の東斜面に作る。

 事業主体は地元企業ではなく県外企業だ。その企業は、この海癒の経営者一家を抱き込んで地元の土地を使用する権利を取得させたらしい。

 ご存じのように、ソーラー発電事業というのは料金を上乗せして払う電気使用者の犠牲のもとに、100%もうかる公共事業である。ここに土建企業・銀行が相乗りして利益を分け合うわけだ。また、地元にカネを落としたい政治のにおいも漂ってくる。今のところ土佐清水市長はこの計画には日和見を決め込んでいるそうだ。

 つまりはむかしは税金を当てこんでいた土建公共事業が、電気料金を当て込む事業になって復活したのである。

 土佐清水という土地は雨量がたいへん多く、年間約2500ミリと瀬戸内海気候の神戸のおよそ倍も降る。しかし同時に年間の日照時間も理科年表に掲載されている国内80の気象台・測候所の中でもっとも長い。

 これがソーラー発電事業者の目にとまったというわけだ。

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 高知県の最南部であるから気温はもちろん高い。こういうメリハリの効いた気象条件にめぐまれているということは、つまり高温・多雨・長時間の日照がぜんぶそろった地上の楽園のような土地ということだ。高知県を西南部へ旅することがあったらよく見ておいてほしいのだが、同じ四国でも高知県は植物の生え方がぜんぜん違う。

 この砂浜は、そういう豊かな自然にめぐまれた場所に残された、たいへん貴重な遺産だと断言していい。

 言葉で説明するのはまどろっこしいが、機会を作ってこの夏休み、機会を作って家族でぜひ訪れてもらいたい。一瞬で意味が分かるだろうから。





 わたしは直接取材をして書いているわけではないし、まだ事業の全貌が公につまびらかになっていないのでいいかげんなことを書くわけにはいかない。もし事実のあやまりがあれば訂正していこう。

 しかし、この場所・この面積をぴかぴかに光る直線的なパネルで埋めるわけには絶対にいかないと考えている。あまりにも理不尽、取り返しがつかない損失だ。

 エネルギー事情の改善に貢献しないソーラーパネル事業と、いいかげんな田舎の事業家のおかげで、貴重な自然が長期間にわたって大破壊されるのはどうしても避けたい。

 以下のリンクから署名への協力を心からお願いするしだいだ。





土佐清水の豊かな海を未来につなぐ会
http://weloveohki.tumblr.com/post/122599580881

WEBでの署名はこちらから(Change.org)
http://chn.ge/1gd5F2j
[2015/07/03 03:39] フィールドニュース | トラックバック(-) | コメント(-)

台風被災の四万十町へ 

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【写真説明:岡田初穂さんがメモしていた9日から10日にかけてのダムの放水量。13日は90トン台だったからいかにめちゃくちゃな大放水だったかが分かる】



 四万十町は窪川町・大正町・十和村が合併してできた。四万十川中流の町だ。台風11号の被災が集中したこの町を1日かけて見てきた。

 お盆の渋滞も四万十川方面なら混雑もさほどではない。さいきん高速道路が西に窪川まで延びたので大型バイクなら日帰りはじゅうぶん可能だ。

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【写真説明:四万十町若井にある沈下橋は流失してしまっていた。このほかにも落ちた沈下橋がある】



 BMWに乗って正午ごろ窪川の市街地に着く。被害が大きかったのはこの窪川なのだがスルーした。なぜかというと、前日に問い合わせたところ、被災者からの要望も減ってきているため、13日中にはボランティアセンターを撤収できそうだ、という見込みを聞いていたためだ。(実際同日1600時で閉所した)

 300戸以上の家屋が浸水被害を受けたそうだが、このへんの人はじつに水害に慣れている。しょうしょう浸かるくらいは慣れっこで、対応にもそつがない。とくに窪川というところは大平洋からいきなり立ち上がった台地にあり、降水量が高知県でもトップクラスに多く30年平均降水量は3089.2ミリもある。播磨地方がだいたい1200ミリだから、2.5倍も雨が降るわけである。

 高知県西南部の雨の降り方というのは、乾燥した播磨地方出身のわたしにはまったくの別世界で、この地を訪ねはじめたころは、空の底が抜けたような激しい雨が何日も続けて降るので身の危険すら感じたほどだった。

 しかも身の危険を感じても後ろは山。逃げるところは限られている。人々は四万十川の水位が上がってくるたびに声をかけあって、昆虫のように上へ上へと自動車や川舟を移動させていくのである。そういう生活なのだ。

 これくらい降ったらこれくらいまで来る、という経験値が川沿いに住む人の経験に刻み込まれているので慣れたものだ。



 十和の十川を目指す。この十和はもともと十川村と昭和村が合併してできた村で、それがこのたびまた合併して四万十町になったというややこしい話は忘れてもらってけっこう。

 十川には20年ちかく前から出入りしているので、土地勘があり知り合いも多いのだ。

 まずはFacebookなどでヘルプを求めていた「道の駅四万十とおわ」で川を眺めながら昼飯を食う。水はとろんと濁った青色でまだまだ水量は多く、川遊びが楽しめる水質ではない。

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【写真説明:道の駅四万十とおわの目の前の畑には取り残されたボサが残っている】


 前日にFacebookに友達になった道の駅の職員・石田亮介さんに店内を案内してもらった。いつものお盆なら駐車場が満車になって困るのだが、今日はさすがにいっぱいにはなっていない。キャンプなどのアウトドアめあての客がほとんどぜんぶキャンセルしてしまったのだ。

 店としては、お盆限定商品として発売した品物の売れ行きがいちばんの難題なのだそうだ。8月に入ってから雨続きで、客数は平年の1/2─1/3しかない。志ある方は買ってやってください。

しまんと地栗パウンドケーキ〈粒つぶ〉(お盆限定)
http://ec-shop.shimanto-towa.jp/fs/kuri/gr69/paund_tsubutsubu



 鮎釣り名人岡田初穂さんの理容店でいつものように話し込む。昨夜はさっそくツガニを捕るためのカゴを浸けてみたが、小さいのが1匹しか入っていなかったという。洪水のときにカニが集中的に川を下るのを活用した漁だ。加古川での魚捕りもこのブログで少し紹介したが、川を日常的に使っている人にとっては、洪水は大きなチャンスなのだ。四万十川ではお盆のころからツガニが川を下り始めるのだが、今年はちょっと遅めなのかもしれない。

 集落から川までを案内してもらう。ここまで水位が上がったのは久しぶりだそうだ。いちばんひどかったのは昭和38年の水害で、そのとき岡田さんは中学2年生。国道まで冠水したのだそうだ。

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【写真説明:水が達した高さを指し示す岡田初穂さん。後の水面と比較されたい】



 理容店にお客さんが来た。町内のどこがどんな浸かりかたをしたか、そんな話が途切れることなくえんえん続く。

 それにしても四万十川の人たちは強い。さすがである。観光客が少ない以外はあまり困ったこともなさそうだ。心強く感じながら四万十川を後にした。





[2014/08/13 23:57] フィールドニュース | トラックバック(-) | CM(1)

台風直撃前の河川敷のドラマ 

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 早朝からかなり強い雨が降る。午後にはいったん上がり、かなり涼しい台風一過のような天気になる。どうやら台風本体とその前方にある前線のスキマに入ったかららしい。

 本格的な降り始めは10日の朝方になるようだ。

 台風直撃に備えて今日は脱出準備をする。庭の道具類を片付け、バイク4台をトラックに積み込む。わたしの自宅は洪水の影響を受けやすい。加古川本流と曇川という支流の合流点にあるからだ。

 本流の水位が支流の水位より高くなってしまうと一巻の終わり。支流への逆流を避けるため、合流点の水門が閉まる。すると日岡山がそばにあるため支流の水は行き場を失って、あっというまに水田から自宅の庭まで水がひたひたと上がってくる。

 上がりはじめるとあっという間。1─2時間くらいでこんなことになる。

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 夕方、川の様子を見に行く。こういうときも最後に残してあるのはダートバイクではなくスーパーカブ50だ。いざというとき軽いし燃費がいいし、荷物も人も乗せられるので、最終的に頼るのはこいつになる。

 川沿いを流す。かなり水位が上がっていて加古川本流沿いのサイクリングロードにかかる橋の2メートル下くらいまで水になっていた。このぶんだと、あともう一息大雨が降ると我が家は水浸しだろう。





 加古川の右岸のサイクリングロードを流していると、おじいさんが釣りをしていた。「ナマズですか?」ときいたら、ウナギ釣りである。

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 お歳は80歳の栃木県出身。兵庫県に住むことになった息子に従って加古川に住むようになったそうだ。いつもは水管橋のあたりでウナギを釣っているが、きょうは本流のいつもの釣り場が使い物にならないので支流で竿を出した。

 話をしている間にも、3本の竿につけた鈴がチリチリと何度も鳴る。ギギがエサをつついているらしく針には乗ってこなかった。今年はなかなか調子がよく、春から60本くらいのウナギを上げたそうだ。

 なんだか昨日書いたブログそのもののお年寄りに会ってしまったみたいでおかしい。そういえば、なぜ用水路などという細い川でおじいさんが流されるのかというと、本流が増水で魚捕りの使い物にならないからと考えれば合点がいく。

 千葉県に住んでいたこともあるそうで、大物天国の千葉県の海釣りの話などで盛り上がって20分くらいもしゃべりこんでしまった。「お気をつけて」と分かれる。





 右岸の堤防道路を走っていると、たくさんのキリギリスが道を歩いているのに気づいた。(冒頭の写真)

 川原が水没して高みに逃げようとしているのだ。あっちもこっちもキリギリスだらけの採り放題。自宅に戻って息子2人をバイクに乗せてキリギリス捕りに出かけることにした。知人の子供らに配ってやれば喜ぶだろう。

 あらためて真っ暗になった川沿いのサイクリングロードに出ると、いるわいるわ。ものすごい数のキリギリスである。バイクで走っていると踏みつぶしてしまいそうなほど出てきている。数百メートル走っただけでも100匹は軽く超える数だ。

 息子たちと最初は喜んで捕まえていたが、へんなことに気づいた。全部メスなのである。

 しかもよく見たら、どのキリギリスもアスファルトの舗装のひび割れた隙間に産卵管を差し込み、一心不乱に産卵中ではないか。中にはウロウロと歩きながら産卵管を舗装路に突き立て、産卵場所を探している個体もいる。



 キリギリスってこんな夏のさなかに産卵するのだろうか。増水で死の危険を感じ取ったキリギリスが子孫を残すためにいっせいに産卵に踏み切ったのだろうか。軟らかい地面がすぐそばにあるのにわざわざ固い舗装道路の隙間に卵を産み付けるのは、流水に流されないための配慮なのか。いろんな疑問がわいてきた。

 台風の増水ではこういういろんな攪乱が起きるので、自然をよくにらんでいるとチャンスが転がり込んでくる。

 小さなドラマにいくつも出会った夕方の散歩になった。


[2014/08/09 23:58] フィールドニュース | TB(0) | CM(0)

至近距離の軽トラからのコゲラ 



 出勤して会社の駐車場にクルマを停めたら、窓の外にキツツキがいました。コゲラです。

 野鳥はクルマから観察すると驚かさなくてすむというのはほんとうですね。軽トラの窓が­開いているにもかかわらず、2メートルの距離で熱心に枝をつついていました。窓が開いているか閉まっているかがわからなかったのでしょう。

 この動画の撮影を終えた後、さらに接近してスチル撮影しようと思ったらようやく飛んでいきました。

 梅雨前の1日。知人の庭でツバメが巣立ちました。



[2014/05/28 17:41] フィールドニュース | TB(0) | CM(0)

川魚、もうひとつの放棄資源 

ナマズ


 今日は日暮れ時の川に入ってナマズを捕った。50センチくらいのそれほど大きくはないが、ちょうど食べやすい大きさだ。

 夢前川の上流に川のアユの状況を見に出かけた。昨年は大水の影響でアユがまるっきりいなかった。今年はやたらにオイカワとカワムツが多く、あまりの多さにアユが目で追えないくらいだ。川は見た目も毎年変わるが、水中のようすも毎年変わる。アユも少しはいるようで安心する。

 あまりの雑魚どもの多さに驚きつつ遊泳していたら、テトラポッドの間からだしぬけに現れたのがこのナマズであった。

 ナマズというのは川魚の中ではのんびりしていて、人間に気づいても逃げるのがワンテンポ遅れる。

 肉食魚なので、いったん逃げはじめたらすばらしい瞬発力で一瞬にして視界から消え去ってしまうのだが、出会い頭の勝負ではこちらに圧倒的に分がある。難なくヤスで突き捕った。大型魚にヤスが突き刺さるときの

「ドッ。ガガガッ」

という手応えはひさしぶりだった。いいもんだね。持ち帰って翌日蒲焼きで食べることにした。



「川魚はくさいからなぁ」

とよく人は言うけれど、おそらくウソである。みんな川魚なんかほとんど食べたことはない。文句だけはいっちょまえに言うのだからヘンなものだ。まずい食べ方ばかり想像していて、美味い時期や美味い食べ方を知らない。だいいち川魚が臭いなら、土用の丑のウナギなんか立派にドロくさいのがいっぱいあるが、そこは気づかずにウナギはそういう味だと思っている。

 たしかに全体としてみると海の魚ほどはうまくないが、四万十川のコイなど冬に食べるともう驚嘆するくらいの美味である。ちなみにウナギもほんとうは秋口から冬に食べたほうが美味い。いちど市川で秋のカワガニ捕りの最中に70センチくらいもある大ウナギを捕まえたときは、これほどの美味があるかと思うくらいであった。岐阜県関市に行くたびに辻屋というウナギの名店に行くけれど、あのときのウナギほどは美味くない。



 わたしは川魚の食べ方をおおよそ祖父から教わった。中学1年生のとき、生まれてはじめて釣った5匹のフナをだいじに料理してくれたのが母方の祖父で、いらい川魚というのはわたしにとっては食い物である。祖父は釣り好きで、不器用なのに魚をさばくのは慣れたものだった。わたしが釣って持ち込むとナマズでもなんでも料理してくれた。

 川魚はそもそもふつうの魚屋に売っていないので、食べるまでに3つくらいスキルを自分で持っておく必要がある。

・捕るもしくは釣る
・シメてさばく
・料理する

 たいしたハードルではないのだけれど、どれも面倒といえば面倒だ。でもちょっと頑張って身につけてみれば、現在の日本の状況では、日本中の川魚が自分のものになるといってよろしい。

 食料自給率が安全保障なのであれば、タンパク源はわたしの場合いつでもそのへんで補給できることになっているのでまったく心配はいらない。肉なんか食えなくなってもウチの家族だけは大丈夫である。まかせておけ妻よ子よ。

 格差社会の進行によって貧困層が増えているのだが、日本人は昔もっと全体的に貧困だった。しかしべつに金がないならムリして魚屋で買わなくても、川に釣りに行けば何かは釣れたわけである。

 ついでに楽しい。畑正憲(ムツゴロウ)さんがエッセイに子供時代の釣りのことを書いていたのを読んだことがある。貧乏家庭の食料調達係として活躍していたことを活き活きと描写していた。こういう狩猟行為というのは無条件に楽しいもんだし、しかもそれが家族の夜のおかずになるなら、子供にとってこれほど自尊心が満たされることもまたない。

 今どきの貧困層は食料を買う金がないのに、川に釣りに行かずにケータイをいじっているから不幸せなのであろう。



 薪ストーブを使い出すとあまりに身の回りに燃料が多いのに驚かされる。いくらでも無料で材木が手に入る。しかも無料で。ほんとうは存在しているのに無視され、「日本に資源はない」ということになっている。

 川魚も、坂口恭平が『独立国家のつくりかた』(講談社現代新書)でいうところの「レイヤー」を変えて見てみれば、日本中の水路という水路にめちゃくちゃな量の魚がいて、それを誰も利用していないというすさまじい事実が浮かび上がってくる。

 夕方に川を渡ることがあったらよく見てほしい。水面に波紋が無数に出ているから。それはぜんぶ魚たちであって、何十年も放ったらかしになって増えに増えており、あなたが捕まえて今晩食べても構わないのである。

 ともかく今年の夢前川はオイカワとカワムツが異様に多いようだ。これもほんとうは冬のほうがうまいのだが、夏のほうが捕りやすい。たくさん釣って甘露煮でも作ろうかと思う。



[2013/07/25 23:33] フィールドニュース | TB(0) | CM(1)

希少昆虫ヒラズゲンセイ 

 このブログのアクセス数がおととい10万を超えた。

 残念ながら、アクセスカウンターを設置したのは開設してからずいぶんたってからなので正確な数値ではないのが惜しい。しかしケタが一つ上がるというのはなかなか嬉しいものである。

 ご存じの通り、テーマー性を持ったサイトではない。日々の気づきや思考過程、与太、旅行記、動物記、ややシリアスな報道まで混じっているので、検索エンジンからの「集客装置」としてはなかなか機能しにくい。

 そんなブログにいままで10万回もクリックをしてくださったみなさんに御礼を申し上げ、これからもご愛顧を伏してお願い申し上げるしだいである。

 記念すべき10万アクセス最初の記事は、季節にぴったり(だよね)の虫の話題だ。



 LumberJacks加古川の平沼さんからFacebookで連絡があった。自宅の薪を積んである棚にへんな虫がいるのを見つけたという。

 写真を見ると、毒々しい真っ赤な体色に扁平で大きな頭、クワガタを思わせるような大あごが目立つ。たいていの昆虫が持っている機敏さが感じられないおかしな体型をしていて、離れた複眼とあいまって思わず不快感をもよおさせる外観だ。まるっきり見たことのない虫である。

ヒラズゲンセイ

「カミキリムシじゃないか」というコメントもあったが、カミキリムシはほとんどの種類ががっしりとした長大な触覚を持ち、鞘翅(さやばね)のショルダーが角張っていて硬質感がある。この虫は触角は柔らかそうで短く、鞘翅の質感も軟弱だ。切れ味の悪そうな異様に巨大な大あごも、どうも印象がカミキリとはまるきり違うのである。

 夕方平沼さんが持って来てくれたので図鑑で検索してみた。かなりめずらしい昆虫である。名前はヒラズゲンセイという。覚えにくいので平賀源内と覚える。

 ネットで情報を収集してみると、生態がかなり変わっている。

 クマバチの巣に寄生し幼虫はハチが集めた花粉ダンゴをちょうだいして成長するらしい。寄生性の昆虫はたくさんいるからそれはいいとして、

(1)親はクマバチの巣で産卵する
(2)孵化した1令幼虫はクマバチの巣の入口に集まり
(3)クマバチの体にしがみついていったん巣の外に出て行き
(4)幼虫から前蛹になって帰って来て1年目の冬を越し、
(5)終令幼虫、蛹と変態しながら2年目をすごし
(6)2年をかけて初夏に成虫になる

といったことが分かっているものの、いったん巣の外に出て行ったあとどこでどう暮らしているのかさっぱり分からないようなのだ。だいたい、わざわざクマバチの巣で卵を生むくせに、孵化した幼虫がいきなり出て行ってしまうの意味が不明である。なんだか生態まで尻がこそばゆくなるようなヘンな虫だ。しかも有毒なんだって……。

 だいいち奇妙なくらい大きなあごは何に使うんだろうか。よく見てみると、刃渡りばかり大きいくせに根元の部分が妙に左右に狭く、どう見ても強い力は出せそうにない。しかも、大あごにつながっていなさそうな頭部の後方が左右に韓国人のエラみたいに出っ張っていて、バランスを大きく失している。

 熱帯にはちょっと信じられないようなニッチでヘンチョコリンな生きかたをしている昆虫がいることが多いが、どうやらその一派らしい。わたしもニッチでヘンチョコリンな人生を送っているかもしれないが、それはまた別の話だ。

 このヒラズゲンセイ、最初は高知でばかり見つかったらしい。だから最初はトサヒラズゲンセイと呼ばれていた。琉球から東南アジアにも同種がいる。温暖化にともなって生息域を北に広げているらしく、どうやら兵庫県ではまだ100件以下しか記録がないようだ。しかもいろんな県で準絶滅危惧種に指定されている。

 神戸新聞に取材しないか連絡をとってみようと思う。



ヒラズは平頭でゲンセイは「芫青」と書き漢方薬の名前のようだ。
http://www.drugsinfo.jp/2007/12/10-221724


[2013/06/23 01:25] フィールドニュース | TB(0) | CM(2)

もうひとつの麦秋 

写真

 麦の刈り入れがほとんど終わり、田植が盛んだ。こうしてみると、兵庫県稲美町の水田は1年に2回金色に染まるわけだ。

 ところで、そのかたわらにあるもうひとつの麦秋にお気づきだろうか。

 早春から勢いよく葉を伸ばしてきたイネ科の植物(イネみたいに葉がシューッと長い草ね)はこの時期になると一斉に葉を枯らして実を散らす。ムギ畑からとなりの休耕田に目を移すと、ここにはイネ科の雑草がとりどりの「麦秋」を迎えている。枯れ野寸前のような雰囲気になっているところもある。

 6月のこの時期にイネ科の草の繁茂はいったん落ち着き、次は葉の広い雑草が繁茂してくるわけだ。いよいよ日本の夏である。

 アラスカでは、たしかイネ科が終わったらもう秋だったような気がする。

「6月が春、7月が夏、8月が秋、あとは全部冬」

らしいからね。つまり日本はアラスカの2─3回分の夏が来るといっていいだろう。



[2013/06/11 23:54] フィールドニュース | TB(0) | CM(2)

アカミミガメを捕まえて水族館に行こう!! 

アカミミガメ捕獲イベントバナー2

 みなさんの近所の川や池にカメはいますか?都会の神社の池でもいいですね。

 たいていいると思うんですけど、そのカメの種類って見分けつきますか。

 じつは、かつてはクサガメとイシガメしかいなかった日本の川や池、神社の池ですが、ここ20年くらいで8割以上が北米からの外来種ミシシッピアカミミガメになってしまいました。いや、もう9割以上ってところがほとんどです。

 ミシシッピアカミミガメって書くと「知らんわ」という人がほとんどでしょうけれど、ミドリガメのことです。ペットショプで売ってるあれね。500円くらいの。

 このカメは、泳ぐ力も強いし、大型化するから産卵数は多いし、攻撃的だし、在来ガメを食べるし、もうめちゃくちゃです。

 この外来種の横暴に長らく心を痛めてきましたが、一筋の光明が見えてきました。なんと須磨海浜水族園(須磨水族館)が、このカメを持って来た人には入場料無料にするサービスをやっています。

須摩海浜水族園
ミシシッピアカミミガメを持参すると、入園が無料になる「アカミミガメ・パスポート」を実施
http://www.sumasui.jp/event/2013/04/post-190.html

というわけで、おれがアカミミガメだらけの川に案内しますから、とっ捕まえてその足で水族館に行こうぜ。水族園は大人の入場料が1300円もするからけっこう「いい商売」ですよ。

 日本のカメを守りつつ、水族館を楽しもう。

 子供のための遊びではありませんよ。大人用のイベントです。カメにかんする簡単なレクチャーもやりますね。日本産のカメの名前をぜんぶ暗唱できるようになって帰ってもらいます。

 といってもイシガメ、クサガメ、ミナミイシガメ、リュウキュウヤマガメ、セマルハコガメ、スッポン──の6種しかいないんだけどね。そういうこともふつうごぞんじないと思うので、このさいまたまた岡本篤が自然の翻訳者を買って出ます。


【持ち物】
・長靴、古いスニーカーなど泥水に突撃できる靴
・網(あれば。頑丈なほうがいい)
・バケツ(大きなほうがいい)
・双眼鏡(カメは視力がよくすぐ逃げるので遠くから偵察)
・軍手

【場所】
2013年6月29日0900時、JR加古川線日岡駅集合

【内容】
午前中カメを捕まえて、午後から水族館に行きましょう。水族館に入ったら流れ解散。好きなだけ楽しんでください。

【参加費】
無料

【参加方法】
申し込み不要・現地集合。水族園には各々で行ってね。カメは運んであげますんで。

【連絡先】
岡本篤(080-3769-8329、okamotoatusi@gmail.com)



[2013/06/01 00:00] フィールドニュース | TB(0) | CM(1)

今年の四万十川と去年の四万十川 

 LumberJacks加古川の四万十川の四万十川ツアーからさきほど帰宅した。

 昔からアウトドアでばかり遊んでいたのでそれなりのノウハウの蓄積があって、道具のアウトフィッターやツアー会社をやることに興味があったものの、そちらには進出せずにいた。

 ところが、昨年LumberJacks加古川という薪割り会社を作ってみたら、ああ、このメンバーなら楽しんでくれるかも、と思って四万十川のカヌーに連れ出してみた。するとわたしがびっくりするくらい喜んでくれる。そこで今年はもちろん2回目のツアー開催となった。

 今年の四万十川はいつもなら定期的に降る初夏の雨がほとんど降っていないらしく、川の水は盛夏の渇水期のような減水ぶり。水も濁ったままでちょっと残念な状態だった。水温もひじょうに高く、泳ぐのにまったく躊躇が必要なくらいの温度にまで上がってしまっている。

 それでなくてもここ数年は「最後の清流」とはいいがたい川になってしまっているので、澄んだ冷たい水にみんなを連れて行けなかったのは残念だった。毎日泳げてよかったけどね。

 まあでも、こういうのも経験。川といえばいつでも同じところを同じように流れていると思っているだろうけど、毎日表情を変えているし、去年よくても今年がいいとはかぎらない。洪水で命まで危ないことすらある。川ってそういうもんだと分かってくれたらそれはまたひとつわたしの大きな目的が達成されることになる。

 たとえばこの週末の四万十川は海からの風が強く、午前中から漕行に難儀するほどだった。真夏には昼下がりから海風が強烈に吹き込んでくるのが普通だが、5月末に午前中から海風が吹くことはなかなかない。ツアーに参加した子供たちはかなり漕ぐのに苦労していた。

 お天気は下り坂なので、この状況は27日には変わってしまうだろう。

 何度も訪ねているうちに、「四万十川」は「四万十川」でしかなかったものが、「去年の四万十」「今年の四万十」というふうに意識の中が区切りができ、それが「今日の川」「明日の川」「昨日の午前中」と細かい違いが読み取れるようになっていく。ついにはちょっとずつ岩や川原が動いていることが分かるようになってくる。

 韓国でカワウソ調査をしていると、ライティングに集まってくるカゲロウ、カワゲラの類が分単位で種類が変わっていく。さっきまで大型のカゲロウがワンワンいたのに、いまはヌカのような小さなユスリカばかりとか。川の何かに反応して動物は行動を変えている。

 そういうことがかぎ取れる触覚ができるとしめたものだ。野にあることがどんどんおもしろくなってくる。

 そのための種をこれからもまき続けようと思う。



[2013/05/27 00:28] フィールドニュース | TB(0) | CM(0)



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