春は体がたいへん 

 鍼灸師のナガオカが患者を診ていると「春は疲れをためている人が多い」らしい。動物の体は暖かくなってくると冬モードから春夏モードに切り替わるのだが、その無理が出てくるのがこの時期なのだそうだ。

 だから学校も9月始まりのほうが理にかなっているという。

 暖かい時期の勢いを保ったまま入学して、新しい環境に体を徐々になじませる。そして体のペースが徐々に落ち着いてくるころには日も短くなり、いっそう勉学にも身が入ろうというものだ。なるほど。

 日本の4月始まりというのは、体には無理が来やすいサイクルなのかもしれない。春になって頭の方は浮かれていろんなことをやりたがるのに、体のほうはまだいまいちついてこない。そんな中入学があったり入社があったりすると、体がいちばんシンドイ時期に激変した新しい環境への適応を要求されることになる。

 スギからヒノキにバトンタッチされた花粉は飛んでいるし、黄砂まで日本に飛来して空を茫漠とした春霞で覆い、ただでさえ薄ぼんやりしがちな日本人の頭をさらにぼんやり化する。4月の上旬はストーブを焚くくらいの日もあるのに、後半になると不要になり、暖かい日なら昼間はTシャツでOKという具合で、月のうちでも冬と春と初夏がいっぺんにあるような時期だ。

 こうして体が季節についていこうとして4月にため込んだ無理が発病するのが五月病というわけなのだろう。

 しかしだからといって9月の入学というのは、いかにも日本人のこれまでの習慣に合っていないように思う。間を取って、5月はじまりにしてはどうだろう。春も終わって体は完全に初夏モードになっている。すぐに梅雨がやってくるが、それも勉学や沈思黙考のためには好都合かもしれない。少なくも体にとっては楽だろうと思う。



[2008/04/23 23:47] よもやまコメント | TB(0) | CM(1)