スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[--/--/-- --:--] スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

ダナーブーツの謎解き 

 ダナー(Danner)というアウトドア界ではわりと知られたブーツメーカーがあって、ここのをもう10年履いている。ダナーライトというゴアテックスを使ったフィールド用ブーツで、軽くて水につかっても浸水しない。カヌーをやるときには使うのは主に長靴かサンダルだが、長距離を歩く可能性があるときや長い旅ではブーツは必ず持って行った。

IMG_4265.jpg


 最初にこのブーツを見たのは長良川だった。「天下の愚行」長良川河口堰に反対するカヌーデモに参加したときだ。北海道でアリスファームを営む藤門弘さんが催しのゲストで来ていて、長身の彼がさっそうと履いていたのがこのダナーライトだった。いかにも野外の道具といった風情に心をひかれるようになり、学生にとってはかなり高い靴だったが購入を決意した。

 この1足目はフィリピンに持って行ったころから熱と湿度にやられたのか水漏れがひどくなった。これまでアラスカも南米も日本の川もこの靴で歩き、靴底も張り直しながら使ってきた。価値のある靴だった。文句の付けようのないパフォーマンスだった。1足目は晴天専用に格下げされて現在にいたる。

 で昨年、フィリピンから帰国して、色違いの同じダナーライト(黒)をもう1足買い足すことにしたわけだ。

IMG_4266.jpg


 このときに違いに気づいたのだが、新しいダナーライトには、アメリカ国旗柄のタグがくるぶしに付いている。こんなもの1足目を買ったときには付いてなかった。いや、よくよく見ると、1足目にも付いているのだが、星条旗はごくごく小さく、控えめにくるぶしの内側に収まっている。なんでこんなに大いばりで外側に付くようになったのか、9/11以来のアメリカの右傾化に関係しているのかと思っていた。

IMG_4268.jpg


 好きでもない星条旗タグの謎が解けたのは報道写真雑誌「デイズジャパン」の2005年11月号p23を見たときだった。

IMG_4262.jpg


 イラク戦争の一コマ、米兵の遺体を戦友が運び出している光景で、遺体のかたわらに立っている兵士の履いているデザートブーツに見たようなタグが付いていたのだ。

IMG_4263.jpg


 靴のスタイル・作りもこれはいかにもダナーくさい。

 そこでダナーのHPに行ってみると、備後、いやビンゴ。ダナーはイラク戦争にかなり深入り、というよりは自主的に首まで浸かっているようです。スクロールバーも表示されない狭いトップページの中段に、イラク戦争をサポートする大きなワッペンが張られている。「YOU'VE GOT OUR BACKS. WE'LL COVER YOUR FEET.」(兵士たちよ応援しているぞ。我々は君たちの足元を守る)と、イラク戦争の報道にそろそろ付いていってない世間をよそに、完全臨戦態勢です。

 いや、ダナーが日本でアウトドアブーツの会社としてしか知られていないのがおかしいのでした。ダナーはアウトドア・狩猟用はもとより、軍・警察に制式採用されているような靴をはじめとして、あらゆるワークブーツを作っている会社だったのだ。米国ダナーのサイトを開くと、ブラウザ上部には「Danner boots & shoes for hiking, work, military / police, hunting and more」と表示されます。明白に軍・警察用の靴のメーカーと謳っている。一方やっぱり、というかんじで、ダナー・ジャパンのサイトには戦争臭はまるっきりない。

 戦争は道具を進化させる。インターネットはよく知られるようにもとは米国防総省の通信網ARPANET(アーパネット)が発祥だし、私が3月に韓国でカワウソの生態調査で使った非常に高性能な小型懐中電灯SureFireは銃身に取り付けて標的を照らし出すためのライトとして発達したものだ。サイトを読むとロサンゼルス五輪の警備用としても採用されたらしい。めちゃくちゃに明るく光が目に入るとしばらく強烈な残像が消えない。光の収束具合が絶妙で対象が非常に見やすい。難点は高価なリチウム電池を湯水のように消費してくれることと、夏は本体が猛烈に発熱しそうなことか。そうそう、ヘタをすると電池1セットで切れる替え球がバカ高い(5000円以上)のも欠点だ。この燃費の悪さを補ってあまりある高性能だからこそ使うのだが。

 戦争は究極のアウトドア。アメリカ人にモノ作りをさせると「こんなものすごいもの誰が使うんだ?」というような、とんでもないオーバースペック商品を作ることが多い。たとえば衣料メーカーフィルソンのダブルマッキーノクルーザー。いちど店で手にとってみてください。あまりの厚さと重さに笑えます。さらにはゼネラルモータース(GM)の軍用車の弟ハマー。どこを走る気なんだあれは。日本人に非常に人気のあるパタゴニアが初期に名を売った商品には、自立するほど分厚い帆布で作った短パン、スタンドアップショーツがある。

 とりあえず、ダナーという会社のことが分かった。イラク戦争にはハラが立つし、他社のゴアテックスブーツもそろっているので、次はあえてダナーは選ばなかもしれない。好きな女だったが、お互いのために別れたほうがよいように思う。

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです
[2016/07/07 00:18] - [ 編集 ]

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです
[2014/03/24 06:16] - [ 編集 ]

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです
[2014/03/20 21:30] - [ 編集 ]

教えてください

古めのダナーライトには サイズ表示もないのでしょうか? 
もしかして 靴べろに書いてある5Wていうものがそうですか? ちなみに日本サイズではいくつでしょうか?
教えてください
[2007/10/25 12:48] kiyo57@hotmail.com kiyo [ 編集 ]

知らなかった。。

僕もダナー好きで、星条旗が表につく以前の(十年前の)ダナーライトをよく履いています。
そして、ダナーは好きです。

しかし、そのような事情があるとは。。。

すこしダナーに不信感を持ちました。
[2007/02/17 15:46] ss [ 編集 ]

わたしもダナーを使っています。
大好きなのですが、こんな事情があったとは。
たしかに今後ダナーを買うには躊躇するな。
[2006/04/14 09:36] nami-f@nyc.odn.ne.jp なみ [ 編集 ]

お互いのために別れた女

はじめまして。
いつも楽しくROMしてます。↑煮込んだようなブーツ、いい感じだったのに残念ですね。うろおぼえ&聞きかじりですが、自衛隊のブーツとかの調達品は品質悪くて価格が超高いらしい・・・。なんか、これを読んでヤミ米判事を思い浮かべましたが、昭和末期の生まれです。
[2006/04/12 17:32] yohko.tsuge@ph.ey.com かわうさ [ 編集 ]

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://kakogawawatcher.blog54.fc2.com/tb.php/10-e6903290


ダナーのダナーライト

1979年にゴアテックス社との共同開発によって、世界で初めてゴアテックスを靴に採用したのがこのダナーライト。翌1980年に一般にリリースされ、ダナーブーツの代名詞的ブーツとして広く知られている。これまでに幾度と
[2007/02/21 16:07] URL カブシキ!



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。