樹木の生長スピードのかんちがい 

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 薪ストーブを使っているおかげで樹木にふれる機会は普通の人の1000倍くらい多い。しかも丸太を解体するので中からも外からも見ることになる。

 あるとき変なことに気づいた。

 それまでの人生で考えていたより、木の幹というのはずっと短期間ですごい太さになるのだ。「この木は何才くらいかなあ」と年輪を数えてみると、想像よりずっと若いことがままある。

 結局は光合成のスピードなので、日当たりとか他の木との競合はもちろん大きく影響するんだけど、

「え?たった15年でここまできちゃったの?!」

ということが木を切り始めたころはよくあった。

 この誤算がなぜ起きるかというと、木をあまり知らない人はえてして年輪を物差しにするからだ。

 年輪が5ミリ刻みだったとしても、木は全周にわたって成長するから直径は年輪の2倍速で10ミリ刻みで広がっていることになる。さらに断面積はπr2だから半径の2乗にしたがい、さらに樹木全体の体積は高さ方向にも伸びる。というわけで、年輪だけをみていると植物体の生長量を大幅に誤認してしまうのだ。

 大きくなる育つためには樹木の幹は骨格として強くなる必要があるため、固く緻密になっていく。材の赤身の部分だ。太い丸太はみためよりずいぶん重い。

 こうした結果、周囲から独立した日当たりのいい場所で育った40年もののナラの木とかになると、30cmくらいにタマ切り(輪切り)しても男2人でようよう軽トラの荷台に押し上げるなんてことになる。

 木は生長が人間の目には認識できないスピードなので、意外に早い蓄積スピードにほとんどの人は気づく機会がない。

 人びとが都会に出てしまって放棄農地や放棄山林ばかりとなった日本全国の田舎では、伐りごろを逃した大木ばっかりが蓄積して人力では出すこともできず、これからひたすらシンドいことになっていくだろう。




[2018/03/20 00:57] 薪割りノウハウ | トラックバック(-) | コメント(-)