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山の話にはウソが多い 

 山林と薪をめぐる一般的な知識には相当なウソが含まれていると思います。

 いや、断言すべきですね。含まれています。

「薪で焚いた風呂は芯からあたたまる」
「マツは高温で燃焼するので窯を傷めるため薪には向かない」
「スギやヒノキは薪に向かない」
「山が悪くなったから洪水がひどくなった」
「備長炭はウバメガシからできる」

これ、みんなウソです。



 まず「薪風呂はあたたまる」ですが、これがいちばん遭遇頻度が高い。ちょっと田舎生活をかじった都会人が多数だまされる噂です。薪で沸かした100度の湯と、ガスで沸かした100度の湯で熱量に違いがあるというわけですか。

 そんなわけあるかい(笑)。

 これが事実なら、日本に大中小たくさんあるボイラー製造会社は、そんなに高効率の燃料である薪を集団で見落としてきたということですか。

 有料メルマガでくどくどと分析したことがあるのですが、温かく感じるのは火を急に消せずジワジワと熱を発し続ける五右衛門式の薪風呂風呂の構造によるものです。ガスの風呂は急に消えて、あとは入浴しているそばから冷めていくでしょ。薪の風呂は熾火がずっと底をあぶり続けます。だから湯冷めしないのはあたりまえ。だんじて薪の湯そのものが温かいわけではありません。



 つぎの2つ。「スギ・ヒノキ・マツは薪に向かない」です。マツは樹脂が多いから高温で燃焼し、薪ストーブや五右衛門風呂の窯を傷める。総じて針葉樹は薪には向かないってことです。

 それって何百度ちがうのですか。誰か数値を知ってますか。何十万円もするストーブがそんなにもろいのですか。日本で昔から使われているダルマストーブはコークス(石炭)だって燃やせますが今の薪ストーブはそれより弱いのですか(ちなみにダルマストーブは今でも5万円以下)。北欧の国々は寒冷地ですから生えている木が針葉樹ばかりのところがたくさんあるでしょう。そういう場所でも針葉樹は使うべきじゃないのか。

 おそらくウソなんですよ、これ。

 だいいち、噂をよく聞くわりには、マツを燃やしすぎてストーブが壊れたという例を一度も見聞したことがありません。ぎゃくに「マツだって乾燥させれば問題ない」「うちの燃料は昔ぜんぶマツだった」という例はよく聞きます。

 年末に南紀の炭焼き職人・土山君にきいたところでは、和歌山方面ではこの風説の「ウメバージョン」があるらしく、ウメの木は高温になるから窯によくないという噂が広まっているらしい。でも「うちはウメばかりだよ」という人もいる。たぶんこのウメバージョンも事実無根でしょう。

 針葉樹は煙突が詰まりやすいのはおそらく事実ですよ。樹脂が多いので乾燥が悪いと煙がたくさん出ます。

 薪は使いようです。スギ・ヒノキの薪は立ち上がりが早いし、乾燥は他の木より早い。火持ちがよくないのは事実ですが、入手はほかの樹種より圧倒的に容易です。軽いから人力でも運搬しやすい。



 次は「山が荒れて洪水が増えた」です。これは大問題。よく聞くでしょう。でもそれあんた現場を見たんか?と言いたくなります。

 山が荒れるといっても、中国みたいに徹底的にツルッパゲになってしまうのと、日本のように植えすぎて細くなっているだけで基本的に山は木でおおわれているのとではずいぶん状況が違います。

 ツルッパゲはだめですよ。なにもないんだから。危機感を感じて中国は木材の輸出を禁止しました。

 しかし、山の木はスギであろうとヒノキであろうと、成長後20─30年もすれば広葉樹と保水力は変わらないという科学的な検証が終わっています。「昔の山や川はよかった」とよくいいますが、日本の山河は50年前はもっと荒れていたんですよ。山は禿山ばかりだった。明治以来の高度成長と戦争で疲弊しきっていましたからね。(このへんは『森林飽和』という本に詳しいので全力推薦します)

 細い木ばかりの山では山が小さな崩落をおこす頻度は上がるでしょう。これは現場で見ててもすぐにわかります。「木が大きければ防げたな」という小さな崖崩れはたくさんある。しかし2011年の紀伊半島であいついだような大崩落となれば原因はわかりにくい。

 さらにもっと大規模な洪水の理由なんて、森林が貧弱になったせいか雨の降り方のせいか河床が上がったせいか人家が川沿いに増えたからかなんて容易にはわかりっこないわけです。明日の天気がまだスーパーコンピュータを使ってる気象庁にも予測できないのに、なんで洪水の原因についてはそんな簡単にシロウトまで断言してしまえるのか。

 「古老」「職人」「野生人」を盲目的に礼讃する傾向が都会人にはありますが、自分が持っていないものを持っている人をありがたがっているだけです。年寄りは科学者ではありませんし、自分の住んでる場所のことしか知らない人がほとんどです。土地の年寄りの話だけを聞いてると間違うってことです。



 最後の「備長炭=ウバメガシ」。紀州備長炭はウバメガシ(バベともいう)というひじょうに固い木からできていますが、これはじつは最近のことです。じつはカシだってナラだって何の木だって備長炭になるんですよ。ウバメガシが優れているだけのことです。

 だから木炭問屋の等級のなかにはカシの備長炭も分類項目として含まれています。

 アウトドアや天然系生活ブーム、健康嗜好で備長炭がもてはやされだしたのが20世紀の末でした。あちこちの雑誌などに「備長炭はウバメガシからできる」と書かれたんですね。すると備長炭=ウバメガシになってしまい、誰も買わなくなったから問屋が要求しなくなり、炭焼きも焼かなくなってしまった。



 山林や樹木、林業をめぐる言説にはよほど注意したほうがいい。なにせ日本人は山林から遠く離れて暮らした時間が長くなりすぎているし、山暮らしをしてきた人は老人が多いので定見に凝り固まった人が多いんです。

 しかも、ウソが流布しだしても誰も修正する人がいないんです。

 健康な懐疑精神を持っていない人はすぐに騙されます。「それ、証拠は?」と聞いてみて証拠が出ないものは疑うくらいでちょうどいいでしょう。



[2013/01/04 23:20] よもやまコメント | TB(0) | CM(2)

うそ

コレもウソですね
>針葉樹は煙突が詰まりやすいのはおそらく事実でよ。
>樹脂が多いので乾燥が悪いと煙がたくさん出ます。
1立法メートル辺りの油分が、ccで、
ナラ 7.0
ブナ 7.0
杉 7.2
楓 7.5
カバ 8.0
楡 8.9
以上の様に成っています、針葉樹だから油分やタールが多いということは一切ありません。
[2014/10/05 01:32] とおりすがり [ 編集 ]

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[2013/01/07 10:39] - [ 編集 ]

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