仕事と作業 

 仕事と作業をはっきり仕分けしておきたいと思う。あくまでわたしの定義であり(株)ムサシでの定義である。

 なんでもかでも「仕事」と呼んでしまっては、「仕事で忙しい」といったときの「仕事」がどういう内容なのかはっきりしない。やるべきなのかやるべきでないのかはっきりしないからだ。

 まず仕事とはなにか。どういう業務か。

 過去にない新しい業務。未来にむけて価値を付加する業務。挑戦(つまりリスク)を含み失敗する可能性のある業務のこと。これにあたる人を「仕事を作る人」と呼ぶ。

 新しい挑戦なので型はない。投資活動に近い。やっても直近の業績につながるかどうかは分からないが、やらないとその組織や事業は死んでいく。Googleが社員に業務時間の20%をあてることを許可しているのはこの部分である。

 つぎに作業とはなにか。

 昨日と同じ業務。前例のある業務。今の利益を生む業務。リスクが少なく失敗する可能性の低い業務。ルーチン。これにあたる人は「作業をこなす人」となる。

 作業はすでに型があり、過去の活動が作った価値にのっとるだけなので、できたものをこなしていれば直近の業績は保証される。定番商品を受注して出荷するなどの業務である。



 仕事と作業は、つまりは未来の価値創造と今の利益確保である。

 とはいえ、業務の中身を完全に2種類に分けられるものではない。たとえばルーティン作業の新しいやりかたを試みる、などという相半ばする性質の業務もある。

 英語で企業のことを「enterprise(エンタープライズ)」と呼び、本質的に「商略(商売上のはかりごと)」の意味を含んでいる。「挑戦」や「計略」など価値創造をおろそかにすると事業の飛躍が生まれず、今の日本のように利益確保のための小さな計略しか生まなくなる。

 われわれは作業に没頭しがちだが、利益確保のための日々の業務は省力化できればできるほどよい。そうして省いた労力を、当たるも当たらぬも八卦の価値創造にできるだけ配分するのである。


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[2018/04/11 01:37] 会社経営 / ビジネス | トラックバック(-) | コメント(-)

ムサシ経営者として3年あまりの記録 

 株式会社ムサシの経営者になって3年である。心覚えに、自分が就任してからおこなった活動を記録しておこう。じぶん岡本篤がいなければ実現しなかったであろう項目を挙げる。


【外部協力】
□加古川市との協力(MOD)
□中小機構の専門家派遣を受ける(植田・引野・中尾・中村各氏)
□ダートバイクのプロライダーに販促活動を依頼
□漕艇協議会に資金支援


【新規事業】
□EINSHOPを全店閉店
□EODをMODに変更
□新事業「朝市」をテスト営業('16)
□加古川で朝市を本格的にスタート('17)
□薪の販売を開始


【マーケティング】
すご腕プッシュカットのカードデザインをサル漫画に
□デザイン課を新設
□メディア戦略を強化し「ムサシ」「RITEX」の露出を強化
□新聞・雑誌・テレビに多数取り上げられる(露出はおよそ数十倍)
□タンザニアの「ダルエスサラーム国際商業見本市」に出展
□ドバイの市場調査
□園芸展示会に出展をスタート(以降3年連続)
□フランスのHC状況を視察
□RITEXパッケージの刷新
□グッドデザイン賞を2年連続で受賞
□香港展示会への定期出展開始(以降3回連続)


【物流】
□5S活動を開始
□半期に一度5S発表会を開催
□ビーバー会議(物流)を開始
□改善提案制度を開始
□パレットをサイズ統一し全1600枚入れ替え
□倉庫別・エリア別で役割を決定
□4トントラックを増車
□物流センターを改装
□動線を大きく変更するため物流センターを改装


【仕事と人生のベース作り】
□朝の体操をラジオ体操から合気道体操に変更
□年1回の研修制度を開始
□経営管理者研修に幹部4人を投入
□鍼灸師をMOD現場に入れて社員の身体をいたわる
□初出の料理を生ハム食い放題でにぎわしく
□忘年会を謝恩会(国内日帰り旅行)に
□海外旅行を毎年化
□女性パートの社員登用へ門戸を開く
□女性初の海外出張要員を香港展示会へ
□制服とスーツを廃止、業務服を自由化
□本社2階と3階のワンフロア化
□1人1誌・紙(以上)の購読制度を開始
□禅寺研修に3人を送る
□iPadを営業部全員に導入
□業務用PCとモニターを定期入れ替え
□部活動制度を開始
□社内研修を実行
□年末大掃除を廃止し5S活動に吸収
□0820時の始業を0830時に変更
□「会社の参観日」を開始


【会議刷新】
□アイデアミーティングの刷新
□営業刷新にむけSalesforceを導入
□アフターサービス部の会議をスタート
□幹部会議(昼食ミーティング)をスタート
□営業会議の頻度を隔週に変更
□戦略会議と開発会議を頻度変更
□旅行委員会を設置
□米国市場にかんする講演会(プロドライバー植野氏)
□忘年会の席次を幹部を後方に変更


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[2018/04/10 13:56] 会社経営 / ビジネス | トラックバック(-) | コメント(-)

日々全力では生きません 

 「日々全力で生きてるか?」とビジネス幹部の研修などでよく問われる。「今日を生ききったか?」みたいな言い方がなされる。

 毎日毎日全力で生きるのはアホのすることだ。

 平和だからこそそんなのんきなことを言ってられるのであって、全力を使い切っていたら不測の事件が起きたときになにも対応できない。「変化の時代に対応」とか言って毎日全力で走りまわりたがるひとがいるが、予測不能なほどのとんでもない不測の事態を無視しているからそんなことができるのだ。

 ヒーローきどりでヘロヘロになるまで毎日働き疲れて、いざという時に対応できるわけがない。「毎日全力」という生き方考え方そのものが平和ボケなのだ。まあじっさい平和な現代社会、しかも日本ではしかたないのかもしれない。

 おれは全力を使い切らない。もし使い切る日や疲弊する日がつづいたらそれはかなり危険な徴候なので、いちはやくそういう状態を脱するために努力の方向性を変える。



 「なんとなくヤバい気がする」という感覚は鋭敏なほうがいい。要は勘だ。

 しかし全力を使い切って感覚が摩耗している人間は勘が鈍る。このため「なんとはなしのヤバさ」に感づくことができない。がんばればがんばるほどヤバいことになっていく。

 フリーのジャーナリストをめざして東京に住もうと考えたことがあった。しかし、他のことはガマンできても、あの満員電車だけはどうにもガマンできそうになかった。

 あのヤバさに東京の人は気づいていないのだろうか。いろんなスイッチをオフにしないとあんなものに耐えられるはずがない。あんなものに耐えられるようになったらおしまいだと思ってけっきょく東京には行かなかった。



 つねにマージンを残すのは、冒険家としては当たり前の心得だ。非常に臆病でいらないところで賭けにでない。冒険家は無謀家ではない。

 そんなわけで会社の経営でもわたしはがんばらないことにしている。「そんな悠長なことは言ってられない。世の中厳しいからがんばるのだ」という人はそういう路線を行けばいい。長続きしないか、なにか起きたときにあっさり破綻する。

 世の中正味厳しいと思っているからこそ、むちゃくちゃがんばらない。頑張らずにできてこそ成功である。



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[2018/04/05 03:45] 会社経営 / ビジネス | トラックバック(-) | コメント(-)