梅田望夫氏が薦めていた『ヒトデはクモよりなぜ強い』(オリ・ブラフマン/ロッド・A・ベックストローム、日系BP社)を読了。
軍隊型の上意下達組織とまったくちがったスピードと性質を持ったヒトデ型組織。グーグルの提供するネット時代のサービスやIT企業が代表だが、視点を変えればスペイン人が制服するのにてこずったアメリカ先住民のアパッチ族やアメリカが撲滅できないアルカイダも同じ組織形態を知らず採用しているという指摘がおもしろい。
トヨタの工場やAppleのiTunesはクモ型組織とヒトデ型組織のハイブリッドなのだ。なるほど。
おもしろかったフレーズを一つ引用。
「そして、分権の第二の法則は、ヒトデを見てもクモだと勘違いしやすいということだ。音楽ファイルの交換に熱中する一〇代の若者や、アリゾナ州の沙漠で暮らす先住民の部族に初めて遭遇した人間は、往々にして、彼らの潜在的な力に気づかない。従来とはまったく違うものの見方をしなければ、理解できないからだ。」(同書p35)
意識的に組織にヒトデ的要素を入れこむにはどうしたらいいのか。これが現在の疑問である。
この冬に薪ストーブを導入したので来年の冬に向けて薪を確保する必要があったのだが、集まる、集まる。簡単に集まるので雨天を縫って割るのがたいへんだ。

やっぱり薪は余っていた。誰も使わないんだからあたりまえだ。
かたや、きょうはバイクにガソリンを入れたが、たった5リットルで800円を超えた。驚きである。
18の歳にバイクに乗り始めていらい、5リットルというのはだいたい500─600円のことであった。それがいよいよ1000円に近づいているのである。それでもバイクだから自動車ユーザにくらべれば圧倒的な移動コストで走り回っていられるのだけど。
別宅の風呂にボイラーを付けたのだが、思い切って薪と石油の兼用ボイラーを選んだ。長府製作所製である。21世紀にもなってなかなかも渋いものを生産している会社である。石油は冬の余りを少し入れて焚いてみたがすぐなくなったので、薪を入れて試運転。5、6本くらいの薪でタンクの湯があっという間に80度を超える温度になる。
というわけで、刃渡り35センチの本職用チェンソーを購入する5万円くらいかかったけれど、それ以降は燃料代はタダ。なかなか気分のいい生活である。石油危機になってみなさんが給湯に困ったら、うちに入りに来たらいい。こういうのをフェイルセーフというのだ。大量の薪を割る必要があるが、薪割り作業というのはとても爽快感があって楽しいので、ぜんぜん苦にならない。運動不足の解消にもなり精神衛生上にも好影響だと思う。
薪の話に戻る。加古川はそれほど田舎でもない。あまり知らない人のために解説すると、JRの特急列車は停車しないが、通勤特急は停車するという程度の街である。人口は25万人ある。
戦後から高度経済成長期を経て急速に人口を増やした街だが、沿海部を離れるとまだまだ田園風景が広がっている。そういう場所に行くと、ナラやクヌギ(アベマキ?)などかつては燃料用の雑木として里山を形成していた木々が直径30から40センチもの立派な木になっている。
これらの木はもう利用限界に近い大きさである。直径50センチ60センチを超える大木になってしまうと、切るにも大変だし、あまりに大きくて回りの木々や道路、家にかかりそうで倒せないような木もある。
今がギリギリの切りごろなのである。
知人に切れる場所はないかと聞いておいたら、あるある。造成地に生えている巨大なナラが「いくらでも持って行ってくれ」状態でどんどん手に入る。だいたい一家でひと冬を越すための薪の量は、直径40センチくらいのナラにして3本から4本くらいといったところだろう。祖父の軽トラを借りて運ぶと、1回の運搬で木1本分くらいが運べる。現在丸太2.5本分くらいは割ったかな。
チェンソーはかつて四万十川でカヌーレンタルのアルバイトをしていたころに少々薪を玉切り(丸太を小切るのこと)したことがあるくらいなので、切りながら慣れるしかない。すでに倒れている木なら玉切りは簡単だが、伐採現場の木は倒した後も何かに引っかかっていたりしてテンションが必ずかかっているので、ヘタをするとチェンソーのバー(刃を乗せて回転する板状の突起部)が丸太にはさまれてしまい、動かすことができなくなる。実際に1回やってしまい、自宅から手ノコを持ってくる帰るハメになった。
バーの先を木に当ててしまうとこちらに向かって跳ね返ってくるし、倒す相手は何百キロもある生木。チェンソーというのは実に危ない道具だ。安全確認を入念にやらなくちゃならない。
朝な夕な、時間さえあれば薪割りをやっているのでお隣のおばあちゃんが「あそこの学校でユーカリの木を倒すらしいけど、あんたいらん?」と声をかけてくれる。ユーカリは脂分がとても多そうなので釜によくないと思って辞退したけれど、ありがたいことだ。木はやっぱり余っている。
これからさらに天井に太陽熱温水器を上げれば、さらに薪の消費量も抑えることができる。石油が足りない上に投機マネーのせいで本来の値段以上に値上がりしている。石油に金を払っても、これでは実際には何に金を出しているのか分からない。
案外都会の近くでもストーブと給湯で薪を使う生活は可能です。山間部ではまだ農家の壁沿いにたくさんの薪が積んであったりもしますが、大平洋ベルト地帯など基本的に暖かい地域では薪などほとんど使われている形跡がない。しかし実は、太平洋側の都会にちかい場所こそ、木質燃料を活用するのは案外簡単なのかもしれません。ぜひトライしてみてください。
(参考)薪ストーブ生活に必要なもの
□チェンソー(新品で5万円以下。バーの長さが30─35センチくらいが使いやすい。林業用が丈夫)
□軽トラ(薪を伐採現場から運んでくる。これが案外ネックになりそうだが、レンタカーで借りればいい)
□斧(1万円くらい)
□薪ストーブ(1万円─100万円。趣味の世界なので、私の使ってる1万円以下の時計型ストーブから北欧製の高価なものまで)
□煙突工事(5万─30万円くらいか。家の形状と煙突の質によりけり。二重構造の煙突は高価)
□薪置場(割った薪を乾燥させる場所が必要。屋根がほしいがブルーシートでもいけるかな)
ネットで検索すれば薪を販売している店もたくさんあります。最初はこういった店から購入すればチェンソーもいりません。こんなの(
http://www.makiclubshop.com/index.html)とか。
神戸ポートアイランドにできたイケアに行く。北欧雑貨店の関係者としては鳴り物入りで登場したこの超巨大ストアは見ておきたかった。
とにかくセルフ、セルフである。いちばんおどろいたのがスタッフの少なさ。体育館くらいの広さを見渡せるフロアに行っても、見回してもスタッフが1人もいない。デジタルカメラで店内を撮影してたら怒られるのかと思ったが、そんなことを注意する気もないようである。万引きなどやり放題だろうにと思うが、見た限り監視カメラもない。
そんなところに割く人件費がもったいないのだろう。
とにかく生産ロットを増やして安価に提供すること。しかし、デザインは水準をクリアしたものだけを──この2点に徹している。
あとは来店客をいい気分にさせる仕掛けはいたるところにあって、さすが、と思わせた。たとえばホットドッグがたった100円だったり、ソフトクリームがたった50円(それなりに小さい)だったり。なんとはなしに得した、という気分になる。たった100円のホットドッグだが、販売店が温度計を差し込んでソーセージの芯の温度を測っていたりする。
ベッドが陳列してあれば、座ってみてもいいのかしらん、と疑問に思う前に「お試しください」と大書きされたシートが目に入る。スタッフがいないぶん、店内のあちこちに看板が多いのだが、デザインがシャレている。配達じゃなくお客の持ち帰りをうながす看板には車が描かれているが、さりげなくFIAT 500(ルパン三世が『カリオストロの城』で乗ってたあれね)の、しかも後ろ姿だったり。
東急ハンズみたいに、目的の商品は店内の1箇所にあるのではない。店自体が広大な迷路みたいになっていて、リビングゾーン、子ども部屋ゾーン、キッチンゾーンなどを通り抜ける間に、同じ商品がいろんなところに置かれているのだ。しかも山積みなので見落とされることがまずない。そうして目に付いた商品を、あ、便利そうなスタンドライトだなと思ってタグを見ると、
「ワークライト799円」
だったりする。5年前に買った同じような機能の机上用Zランプは10000円以上したぞ。どういうことだこれは?わなわな(手がフルえる)──などと思ってしまったらすでにイケアの思うつぼである。
私は方向感覚には自信があるのだが、フロア図をまったく見ないでいたらこの迷路式のフロアにはまったく歯が立たない。スタッフがいないのできくこともできないので矢印をたよりに進むしかなく、急いでいたのに外に出るまでに20分かかってしまった。じつはいろんな商品に目移りしてしまってよけいに迷ってしまったという経緯もある。イケアの思うつぼである。
まだ開店から間もない。雨で比較的客足は少ないであろうにもかかわらずレジがあまりに混んでいるので買い物をやめて、ソフトクリームとホットドッグだけ食べたのでありました。ホットドッグのチリソースが冷たかったのはご愛嬌。
楽しいですよ、イケア。無印良品にとっては脅威なんじゃないでしょうか。「無印でいいや」が「イケアのほうがええがな」になるかも。